熊本地震における済生会山口DMATの活動
2016年4月14日21時26分・・・皆様も緊急地震速報や、山口市でも震度3を観測し驚かれたことと思います。
熊本地震(前震)の発生です。
その直後、私たちDMAT(災害派遣医療チーム)のもとに待機要請のメールが届きました。
同日23時45分には九州・沖縄ブロックを除くDMATの待機要請を解除となりました・・・しかし、
4月16日1時25分、再び熊本地方を襲う震度7という巨大地震(本震)。
相次ぐ二度の巨大地震に九州・沖縄ブロック、中国ブロック、四国ブロック、近畿ブロックのDMATに派遣要請がありました。
私たち済生会山口DMATも出動することを決定し4月17日5時に病院へ集合、準備を整え5時55分に、いざ熊本に向け出動しました。
高速道路は熊本手前の植木ICより全面通行止めとなり、熊本市内は大渋滞・・・12時30分やっとの思いで参集拠点である熊本赤十字病院へ到着しました。
まずはDMAT本部に到着の報告に向かうと、すでに多くのDMATが参集しており山口県内のDMATも多数到着していました。
DMAT本部より避難所である「益城町保健福祉センター」での診療支援活動のミッションを言い渡され、震源地に近い益城町へ移動することとなりました。移動中、熊本市内ではあまり目にすることがなかった倒壊家屋や道路の亀裂などが多数あり被害の甚大さを思い知らされました。
そして、私たちの活動の拠点となる「益城町保健福祉センター」に到着。
まずは避難所の状況の確認を行いました。
電気も使え、自衛隊が入浴施設を設置し、支援物資も多くあり避難所としては十分な環境に思えましたが、この避難所に約1000人の人が避難しており、また水も使えないことから、かなり衛生面では厳しい状況でした。介護が必要な高齢者や乳児を抱えたお母さん、ペットまでもが同じ狭い空間で過ごしている・・・そのような状況でした。
私たち済生会山口DMATは4月17~18日・18~19日の夜間の診療支援を行いました。夜間は2隊のDMATで活動を行い、17~18日はA病院DMATと18~19日はB病院DMATと活動を共にしました。
ケガをされた方、家が倒壊して薬が取りに帰れない方、精神的な不調を起こす方・・・様々な方が訪れました。
限られた医療資源の中、普段病院で行っているような十分な医療・看護を提供できる訳ではありません。
「すべては被災者のために・・・」
私たちがDMAT隊員になるために受けた養成研修で最初に教わった言葉です。
この言葉を何度も心の中で繰り返し医療支援だけではなく、避難所環境についても施設の方、現地の保健師の方とも話し合い自衛隊や薬剤師会とも協力しながら活動を行いました。
さて、私たちDMAT隊員は活動中どのような生活をしていたと思いますか?
まず、食事、水、生活用品は全て持っていきました。
DMATは自己完結のチームなので自分たちが必要なものは全て持っていきます。現地の物は貴重な物資ですから。
お風呂・・・活動していた2日間は入っていません。
睡眠・・・夜間の活動だったのであまり寝ることができませんでしたが、自衛隊のテントで寝かせてもらいました。(昼間に熊本赤十字病院の廊下で寝てました)
最後に、私たち済生会山口DMATは微力ではあったかと思いますが今回の災害支援に携わらせて頂き多くの経験をすることができました。今後もこのような災害がいつどこで起こるかわかりません。
その時のために、訓練を積み準備を怠らないよう万全の体制を整えていきたいと思います。
被災者の方には心よりお見舞い申し上げます。
そして熊本の復興を願い、今後も協力していきたいと思います。